2009年12月12日

映画『稲妻草紙』@1951松竹/稲垣浩監督

先日、京橋フィルムセンターで標題の映画を観ました。
初見です。

木暮実千代さんは、準主役といった感じで、主演の阪東妻三郎さん(田村高廣、正和、亮、三兄弟の父君)、そして田中絹代さんを盛り立てる役。明るく、てきぱきした情の濃い宿屋の女中さんの役でした。
この映画で面白いのは、デビューしたての三國連太郎さんが、田中絹代さんの恋人役に大抜擢されて出ていること。実年齢を考えれば相当無理のある設定です。親子ほど年の離れた恋人同士、ということになるのでしょうが、そこは映画、虚構の世界ですし、田中さんが小柄で童顔のせいか、なんとなく納得させられてしまいます。

総じて、暗いテーマを扱いながら、明るさを喪わずに済んだのは、監督の力もあるでしょうが、阪妻さんはじめ出演者がよかったせいもあるでしょう。

面白い演出だな、と思ったのは、阪妻さん演じる武士の恋ごころ、内面世界をゆっくりと描いていたこと。時代劇にしてはスローテンポに思えるほどの丁寧さで、心奥の葛藤をきちんと描き出していたのに驚きました。

また、映画全体を観て、最後のシーンの木暮実千代さんの「おーい」と雲に呼びかける声の素直な明るさと高くきれいなトーンが、とても印象的でした。木暮実千代さんという女優さんの素の部分(あっけらかんとした明るさ)を感じさせる映画として、貴重なものと感じたことでした。

なお、当日フィルムセンターのラックからもらってきた田中絹代さん生誕100年記念上映作品のパンフレットがとても綺麗だったので、報告します。パンフレットの中面を観て、木暮実千代さんと競演した映画『三婆』も、上映されることがわかりました。
12月19日(土)午後5時からです。
上映時間に少しでも遅れると入れませんので、時間厳守でおでかけください。


posted by fujisawam at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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